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感動と迷惑の境界線

トロピカルビーチで娘を抱き上げる

フラッシュ・モブが流行っている。しかしサプライズはセンスよくやらないと大迷惑で寒い鳥肌が立つ後味の悪いものになる。感動と迷惑の境目はどこだろうか? 何が感動させ、どうしてシラケの感情が沸き起こるのかを検証するーー

 

フラッシュ・モブ とは ?

コンサートやライブなんか行かない。興味ない、と思っている人でもーー 好きな人と食事をしている時、突然美しいバイオリンの音色が聞こえ演奏が始まったら嬉しいはずだ。あるいは、映画やテレビドラマが盛り上がるシーンには必ず音楽がある。素晴らしいメロディーと物語があいまって涙がこぼれたり心踊る。

つまり、予期せぬ素晴らしいエンターテイメント、サプライズを受けると人は感動する。以下の動画を見て欲しい。素晴らしいフラッシュ・モブ 動画だ。

 

少女がお金を入れたらオーケストラが始まった

普段と変わり映えのしない街並み。多くの人が行き過ぎる。別に不満はないけれど、さして楽しくもない日常・・ 人々はカフェでお茶を飲んだり人をかき分けて先を急ぎ歩いていく。

街角の、コントラバス奏者のことなんか目もくれずーー

彼の演奏する前に置かれた帽子の中にお金を入れる人もなく。好奇の目で見る人はいるものの、「貧乏人がなにやってんの?」というような軽く見下したような目線さえ送る人もいる。

そこへ少女が現れて、演奏する彼の帽子の中へコインを入れる。女の子の、ほんのちょっぴりの好意。演奏者への敬意。

それをきっかけに、チェロ奏者が現れ、バイオリニストが現れ合奏になっていくと「あれ?」という表情で、それまで無関心だった人々が振り向きはじめる。さらにどんどん演奏者が増えていくと、もう通行人は通行人でなくなり観客に変わっていくのだ。カフェで座っていた人々もあわてて集まってくる。

コーラスが入ると一瞬で観客の顔が変わり、感動に変わる。

人々は、身につまされた、のだ。コンサートなんて、自分には関係ないと思っていても目の前で本物のサウンドが流れれば心に直撃をくらう。音楽の威力を、思い知るのだ。

 

 

フラッシュ・モブ の弊害

このように感動的なサプライズとなるはずのフラッシュ・モブ の迷惑事件が、最近多発している。You Tube で「フラッシュ・モブ 」と検索すると、出て来る出て来る素人動画。カップルで街を歩いていると突然音楽が鳴りだし、周りの通行人が踊りだす。しかし素人で、練習もしっかりしていない踊りだからぐにゃぐにゃで全員の動きも合っていない。よくこんなお粗末な芸を大勢の人前で披露できるな、と見ているこっちが恥ずかしくなる出来栄えだ。

結婚式でよく見る「友達の演芸」のようなシロモノ。しかし結婚式であればそれも笑える。ほのぼのとした友情が醸(かも)し出されたりもするだろう。しかし街中でやっちゃダメだ。悪い鳥肌が立ってその場から逃げ出したくなる。

 

しかも、だ。トドメに、そういうドッチラケ・ムードの中で プロポーズをしちゃったりするもんだから、彼女にしてみればこれはもう、公開処刑以外の何物でもない。当然、そんなプロポーズは苦々しく却下されるわけだが彼女にしてみれば悪い思い出として記憶に残り続けるだろう。

 

喧嘩別れ

 

サプライズは押し付けではいけない。

自分だけが満足するものではいけない。センスが必要だ。

結婚式の会場で、このサプライズをやられて離婚した人までいる。

 

フラッシュ・モブ で離婚 出展:Yahoo! 知恵袋

結婚式を挙げたばかりの新婦。事は披露宴の最後に記念撮影をしようと全員でステージの前に集まったときに起こった。カメラマンが「はい、とりますよー!」とシャッターを切ろうとした、その瞬間、いきなり大音量の洋楽が。恐怖のフラッシュ・モブの始まり。しかも、この新婦さん。式場での打ち合わせ時に「私、サプライズは嫌いだからそういうのは無しにしてください。特にフラッシュモブは流行っているけど、本当に苦手だからやめてね。」と再三伝え、もちろんプランナーさんの前でも伝え、打ち合わせのノートには旦那さんの字で「フラッシュモブNG」というメモまで残っていたと言う。やめて欲しいという旨は伝えてあったのにこの仕打ち、ここまで好みも方向性も合わなければ離婚にも発展するだろう。

 

素人芸が悪いのではなく、伝え方

最初にプロの演奏を見せ、感動した後に「素人芸」の話になったので、だったら素人はやるな、ということ? と思われたのなら誤解だ。素人でも心地よく伝わってくるヘタな演奏もある。しかしそれが、どんなプロの名演よりも心に響く瞬間がある。

 

それを証明するため、素人丸出しの演奏を見せよう。ど素人の演奏だ。しかし心に迫ってくる。ナレーションのいれ方や映像演出が入っているので、それにやられているのもあるが、「心をこめて相手のために演奏する」という態度が感動を呼び、心に迫ってくるのだと思う。押し付けの、自分のためのエンターテイメントではダメだということだ。

 

岩手県盛岡の音楽教室のCM動画

かなり有名なので知っている人も多い動画だろう。

TOSANDO music (東山堂)という楽器販売、音楽教室を経営する会社の作った動画だ。

 

ある結婚式の会場からシーンは始まる。

新婦の父が司会の女性に呼ばれてご挨拶ーー

と思いきや、ピアノの方へ歩いていく。よく見ると手には譜面と、写真立てに入った写真。

「お父さん、ピアノ弾けるの?」

新郎の質問に、新婦はけげんな顔で首を横に振る。

父親はコトン、とその写真立てを黒いピアノの上に置く。写真の中には女性の笑顔。譜面をセットし一呼吸置くと父親は鍵盤の上におぼつかない指を乗せてゆく。お世辞にもうまい、とは言えない演奏。新婦は「やめてよ」とつぶやく。やめてよ、なんでその曲なの。

曲名はクラシックの名曲 ヨハン・パッヘルベルのカノン。この曲を選ぶところがまたニクい。

カノン (canon) は、複数の声部が同じ旋律を異なる時点からそれぞれ開始して演奏する様式の曲だ。パッヘルベルのカノンは、3つの声部が全く同じ旋律を追唱しているのでなんとなく3人の人生模様を彷彿とさせる。

母親が弾いているカノンをそばで見ている幼き頃の新婦。父は仕事人間でまったく母娘とは接触せず、ただソファに座って新聞を広げているだけ。音楽なんて興味もなかった父が弾くカノン。「へたくそ」と新婦は吐き捨てるようにつぶやく。

たどたどしい演奏の中、母が死に、父とはうまくいかない新婦の映像がちりばめられてゆく。家を出てゆく娘。月日は流れ新婦の結婚が決まったある日、父親は音楽教室のガラス張りのレッスン風景を見上げて立ち止まる。

レッスンに通う父。仕事が終わってから定期的に通ってレッスンを続けてきたようだ。音楽なんて興味もなかったような父がーー

そうして今日、たどたどしくも何かを伝えようとピアノに向き合う父。が、、、

 

譜面を見失い、突然 演奏が止まってしまう。

 

緊張する会場、驚く娘。 え? なんで? ここまで弾いて・・途中でやめちゃうの?

「がんばってよ」

娘の声なき声に声に押されるように、なんとか演奏が途中から再開された。

「がんばれ、がんばれ」

娘の声は失われたあの頃の思い出を取り戻すように胸に響く。父も聴いていたのだ。母の、あの思い出のハノンーー

 

これがその映像だ。

↓ ↓ ↓

 

感動と迷惑の境界線、それは素人かプロかではなく。

独りよがりにならず、相手に何を伝えたいか。その思いが届かないとしても、素直に、押し付けず伝えよう。そう思った時だけ、サプライズは嫌みに映らず、成功するのかもしれない。

 

誤解されず、相手に何かを伝えるのは難しいけどね。

 

 

この記事を読んだあなたは:ドキュメンタリーの音楽物語、興味ないっすか?

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